「お墓のゆくえ〜弔いの社会史〜」を見て
2016年05月08日 09:27
昨晩、NHKのさまざまな社会問題を取り上げるドキュメンタリー番組で
“お墓”は時代を映す鏡 変化する弔いの世界 を見ました。
NHKの特集という事で、多くの方が見たのではないかと思います。
お墓愛好家の私からみると、これまでの上辺だけのお墓に関係する特集から比較すると
これまでの社会とお墓の関係や歴史を紐解き、興味深い番組に仕上がってました。
長文となりますが、下記に少し感想を語りたいと思います。
既存のお墓はすでに時代遅れ⁉ という主題が決まっており、
既存のお墓に関しては、とても悲惨な無縁になった墓地が象徴的に表現されておりました。
ちなみに私は、北海道の田舎に居を構えておりますが、北海道の多くの墓地は公営墓地として
各自治体が運営しており、あそこまで悲惨な墓地の存在は少ないのです。
限られたテレビ番組の放送時間の中で、いかに既存のお墓が
時代遅れとなっているかを表現したいという番組側の意向がありましたね。
また、札幌の公営墓地では、今年数年ぶりに墓所の公募がありますが、
人気のある墓所では20倍以上なのです。
これは、市民が求めるお墓を行政が応えきれていないとも言えるかと思います。
とは言え、番組の中で取り上げられていた、スウェーデンの主都ストックホルムにある森の墓地は
1914年から構想・設計が練られて25年の歳月を経て完成した墓地というように
都市の未来を見据えて、その中核として墓地が構想としてあるという考えの
欧米と今の日本では、様々な経験をした大人と、赤ちゃん程の開きがあるといっても
過言ではないでしょう。


撮影:山崎 修
(上記のような墓地が約100年前に構想されたことに、多くの日本人は驚愕するのではないでしょうか。)
また、明治以降の家制度の崩壊ということについても、話されてました。
少子高齢化社会は、家を継承するという事に関して難しい時代になりました。
しかし、家というのは、国家の縮図ともいえるかと思います。
このまま〇〇家が日本からすべてなくなることはないし、家(家族の縁)を
大切にするという考え方も、未来の日本のためには大切なことかとも思います。
昔は武家や公家などしか姓がなく、当社のご先祖様も江戸時代は播磨屋などと屋号しか
ありませんでした。武家はその昔から国を守るために、〇〇家の家を守り継承するという必要性が
あったのでしょう。今は、国民全体が選挙権を持ち政治に参画できる時代
一般国民も国家を守るためにも、〇〇家が必要な時代なんでしょうね。
しかし、そのような考えが大きく変わろうとしているという事を番組からは伝わりました。
ふるさとにあるお墓が、お墓参りが出来なくなるからお墓じまいして
都会の桜のある墓所に引っ越しをして良かったというお話もありました。
故郷にお墓を持ち続ける方々もおります。その方々の取材もぜひしてほしかったですね。
先月北海道にも新幹線ができて、飛行機も格安のチケットが入りやすい時代になってきております。
年に一度又は数年に一度は、家族でご先祖様を偲ぶ旅(心の旅)が
次世代にもできるように、故郷にお墓を残すことも、今後は大切な事かと思います。
自分のご先祖様がどのような苦労をしたから、今自分たちが生きているんだという事を
実感する場がお墓でもあるからです。人はカタチを見たり感じたりしないと心におちてこないからですね。
新潟県の田舎にある角田山 妙光寺の安穏廟の事も取り上げられてきました。


ここは、新時代のお墓のあり方のバイブルのようなお寺ですね。
お墓をここに持つには、ご住職との面談があります。それにクリアするとお墓を求めることができるそうです。
(以前お尋ねした時にそのような事をおっしゃられておりました。)
遠くは、首都圏からもお墓をここにお持ちになっている方がおります。
首都圏で生まれた方々、又は分家となる方々にとって故郷というよりは、ここでのご縁を
大切に考えているからでしょうか。ある意味、妙光寺で皆さんご縁を持ち「墓友」となっていくようなしくみです。
番組で、主にお話をされていた方が言っていたように、今はあらゆる葬送の方法が
提案されてきております。混とんとしているというような表現をされておりましたが、
日本は民間主導が目立つので、混とんとしているという表現も適正かもしれませんね。
ストックホルムの森の墓地に代表されるように、ヨーロッパ諸国の多くは、
街づくりとしっかりと連動された墓地のあり方が何100年近くも前から構想、実践されている所が多くみられ
自治体主導で行われております。
北海道は、まだ自治体管理の公営墓地が主体となっており、今後行政が墓地問題について
各自治体の生き残り対策と連動性を感じるところが出てくると
森の墓地の規模は到底難しいですが、非常に興味深い未来の墓地が
創れる可能性を秘めているかと思います。
とても面白い課題なので、とりとめもなく書いてしまいますので
この辺で終わりにしたいと思います。
“お墓”は時代を映す鏡 変化する弔いの世界 を見ました。
NHKの特集という事で、多くの方が見たのではないかと思います。
お墓愛好家の私からみると、これまでの上辺だけのお墓に関係する特集から比較すると
これまでの社会とお墓の関係や歴史を紐解き、興味深い番組に仕上がってました。
長文となりますが、下記に少し感想を語りたいと思います。
既存のお墓はすでに時代遅れ⁉ という主題が決まっており、
既存のお墓に関しては、とても悲惨な無縁になった墓地が象徴的に表現されておりました。
ちなみに私は、北海道の田舎に居を構えておりますが、北海道の多くの墓地は公営墓地として
各自治体が運営しており、あそこまで悲惨な墓地の存在は少ないのです。
限られたテレビ番組の放送時間の中で、いかに既存のお墓が
時代遅れとなっているかを表現したいという番組側の意向がありましたね。
また、札幌の公営墓地では、今年数年ぶりに墓所の公募がありますが、
人気のある墓所では20倍以上なのです。
これは、市民が求めるお墓を行政が応えきれていないとも言えるかと思います。
とは言え、番組の中で取り上げられていた、スウェーデンの主都ストックホルムにある森の墓地は
1914年から構想・設計が練られて25年の歳月を経て完成した墓地というように
都市の未来を見据えて、その中核として墓地が構想としてあるという考えの
欧米と今の日本では、様々な経験をした大人と、赤ちゃん程の開きがあるといっても
過言ではないでしょう。


撮影:山崎 修
(上記のような墓地が約100年前に構想されたことに、多くの日本人は驚愕するのではないでしょうか。)
また、明治以降の家制度の崩壊ということについても、話されてました。
少子高齢化社会は、家を継承するという事に関して難しい時代になりました。
しかし、家というのは、国家の縮図ともいえるかと思います。
このまま〇〇家が日本からすべてなくなることはないし、家(家族の縁)を
大切にするという考え方も、未来の日本のためには大切なことかとも思います。
昔は武家や公家などしか姓がなく、当社のご先祖様も江戸時代は播磨屋などと屋号しか
ありませんでした。武家はその昔から国を守るために、〇〇家の家を守り継承するという必要性が
あったのでしょう。今は、国民全体が選挙権を持ち政治に参画できる時代
一般国民も国家を守るためにも、〇〇家が必要な時代なんでしょうね。
しかし、そのような考えが大きく変わろうとしているという事を番組からは伝わりました。
ふるさとにあるお墓が、お墓参りが出来なくなるからお墓じまいして
都会の桜のある墓所に引っ越しをして良かったというお話もありました。
故郷にお墓を持ち続ける方々もおります。その方々の取材もぜひしてほしかったですね。
先月北海道にも新幹線ができて、飛行機も格安のチケットが入りやすい時代になってきております。
年に一度又は数年に一度は、家族でご先祖様を偲ぶ旅(心の旅)が
次世代にもできるように、故郷にお墓を残すことも、今後は大切な事かと思います。
自分のご先祖様がどのような苦労をしたから、今自分たちが生きているんだという事を
実感する場がお墓でもあるからです。人はカタチを見たり感じたりしないと心におちてこないからですね。
新潟県の田舎にある角田山 妙光寺の安穏廟の事も取り上げられてきました。


ここは、新時代のお墓のあり方のバイブルのようなお寺ですね。
お墓をここに持つには、ご住職との面談があります。それにクリアするとお墓を求めることができるそうです。
(以前お尋ねした時にそのような事をおっしゃられておりました。)
遠くは、首都圏からもお墓をここにお持ちになっている方がおります。
首都圏で生まれた方々、又は分家となる方々にとって故郷というよりは、ここでのご縁を
大切に考えているからでしょうか。ある意味、妙光寺で皆さんご縁を持ち「墓友」となっていくようなしくみです。
番組で、主にお話をされていた方が言っていたように、今はあらゆる葬送の方法が
提案されてきております。混とんとしているというような表現をされておりましたが、
日本は民間主導が目立つので、混とんとしているという表現も適正かもしれませんね。
ストックホルムの森の墓地に代表されるように、ヨーロッパ諸国の多くは、
街づくりとしっかりと連動された墓地のあり方が何100年近くも前から構想、実践されている所が多くみられ
自治体主導で行われております。
北海道は、まだ自治体管理の公営墓地が主体となっており、今後行政が墓地問題について
各自治体の生き残り対策と連動性を感じるところが出てくると
森の墓地の規模は到底難しいですが、非常に興味深い未来の墓地が
創れる可能性を秘めているかと思います。
とても面白い課題なので、とりとめもなく書いてしまいますので
この辺で終わりにしたいと思います。
